prefab sprout 雑感


オリジナリティーということ

中学生のころ、僕は教室でもっとも胡散臭いタイプの一人だった。ベストテンやトップテンより、FMのアメリカントップ40を聞き、BOOWYってなんて読むんだとうそぶいていた。イギリスやアメリカの音楽はどれも例外なくすばらしく、日本の音楽は何でもダメだと、数人の友達とミュージックライフの新譜紹介の星の数を見ながら、買うべきアルバムを相談し、友達が何がしかを買ったと聞けば、すぐさまダブルカセットの出番だった。

何でそうだったのか?なぜカッコよかったのか?それはそこに強烈なオリジナリティーを感じていたからだろう。カルチャークラブのボーイジョージの姿。ブライアンアダムスやヒューイルイスのストレートなロック。Wham!やa-haだって十分刺激的だった。それと代わり映えのしない日本のテレビと比べていたからだ。

でも、なんでもかんでもカッコいいと思えるときは長くは続かなかった。ブルーススプリングスティーンは相変わらず同じような音を出しつづけ、結局演歌とおなじように聞こえ始めた。カルチャークラブはたぶんグラムロックの影響を受けているんだろと気づいた。日本より進んでいたはずの海外のシーンが、実は日本と同じようなアイドルバンドを派手なプロモーションのもとで大量生産していることを知ったときには落胆した。WHAM!もある意味、そういった中から生まれたものだった。
つまり、オリジナリティーだと思っていたのは、単に僕に知識が十分になくて、元ねたを知らなかっただけの話だった。

prefab sproutはどうだろう。いつ聞いてもやっぱりprefab sproutはprefab sproutだ。--風な曲を作ることもなく、いつもそれはパディの曲だった。しかも、あくまで美しい。多分、彼の中では格別奇をてらったものではないからだろう。

こういう才能に出会えたのは幸せだ。そして、彼らに才能があると言い切れる自分をちょっと誇りに思う。十年以上前の音を恥ずかしげもなく、この場に紹介するのは、正直試される心持だ。生き永らえているものはあっても、生きつづけているものは少なく、本当に新たに生まれているものもそう多くはない。


戻る